母乳といえば白色をイメージする人がほとんどでしょう。実際、牛乳だって白いですし、ヨーグルトなどの乳製品も白が多いですよね。
しかし、先輩ママの口コミを読んでみると、母乳の色が黄色っぽいという人や、お米のとぎ汁みたいな色という人もいて、イメージするような色ではないことがわかります。
そこで今回は、
・母乳の色は何色?
・母乳の色が違うと味も違うの?
・おいしい母乳にするにはどうすればいいの?
といった方に、母乳の色と味の関係や、おいしい母乳にするためにはどうすればいいかなどについて詳しくご紹介します。
母乳育児をするママにとって、赤ちゃんには母乳を美味しく飲んでもらいたいところ。母乳の色を知って、おいしい母乳を赤ちゃんにあげられるようにしましょう。
母乳の色は一定ではない?
真っ白、という印象が強い母乳ですが、実は母乳の色は一定ではありません。その色は時期によって変化することが確認されています。
赤ちゃんを出産してから初めて出る母乳を初乳といいますが、その時期の母乳はうすい黄色をしていて、ドロっとした粘り気を帯びています。
初乳は一週間前後続き、その後移行乳から成乳へと変わっていくのですが、この頃も色に変化が見られます。
初乳から成乳に移行する移行乳の時期は、母乳の色合いが初乳に比べて薄まり、成乳になる頃にはさらりとした白色に色が変わります。
白色は普通の味?
母乳が白色というのは、イメージからおいしい母乳の色のように思えます。白色に近ければ近いほど、美味しさが増すような気がしてしまいます。
先輩ママの口コミであったお米のとぎ汁のような色も、そう考えるとおいしい母乳の印のように感じます。
しかし、牛乳を代表する白色は、母乳の基準でみるとおいしい母乳とはいえません。
赤ちゃんが飲むのを拒否するほど悪くはないのですが、どちらかというと普通の味レベル。本当においしい母乳と比べると、味も少し甘くなります。
濁りのある白色は?
お米のとぎ汁のような白色であれば、おいしいとはいわないまでも普通の基準は満たしていますが、この色が濁りのある白色(もしくは濃い白色)であった場合にはまずい母乳です。
まずい母乳の特徴としては、色の他に独特の匂いがしたり、質感もサラサラとしていない、また味も悪いといわれています。
その味は、酸っぱかったり苦かったりとさまざまで、辛いこともあります。
こうした特徴に当てはまる母乳は、まずいだけでなく質も悪いとされているので、そんな母乳が出たら赤ちゃんにも飲ませないようにしたいところです。
おいしい母乳の色とは
お米のとぎ汁くらいの白色、黄色っぽいと称されることもある母乳は正常な母乳の色とされていますが、味としてはおいしいには届きません。
では、おいしい母乳の色はどのような色をしているかといえば、青みがかった白色をしているといわれています。
この色は母乳の中でも理想的な色とされており、質感も普通の母乳に比べてさらっとしています。
この青みがかった白色には少し劣りますが、それでもおいしい母乳に入るのが黄色味を帯びた白色。お米のとぎ汁ではなく、片栗粉を溶いたような白色をしているのが特徴です。
注意したい黄色や黄緑色
注意したい母乳の色ですが、黄色の他にも黄緑色やオレンジ色をしているママもたまにいます。
こんな色の牛乳が出たとしたら、躊躇する人がほとんどでしょうが、母乳に関しても同じことがいえます。乳腺炎になってしまっている可能性が高いからです。
乳腺炎はおっぱいが炎症を起こしてしまう病気のことで、母乳の色が変わるだけでなく、粘り気が出たり、胸にちょっと振動があるだけで痛みを感じるようになります。
味もおいしいとは程遠い味なので、このような色になっていたら、ママ自身も生活習慣を改めるなど対策を取るようにしましょう。
日によっても変わる母乳の色
時期によって母乳の色に変化が見られるのは先にも触れた通りですが、母乳は毎日色が変化している場合もあるのです。
その日のママの体調をはじめ、ママが摂取した食材にも左右されます。
赤ちゃんにおいしい母乳を飲ませたいという思いから、母乳の味見をするママもいますが、母乳を含むのにちょっと抵抗を覚えてしまうママもいるはずです。
そんな時は、少し搾乳して色を確認してみましょう。
新鮮さにも関係が
また、母乳の色はママの体調などその日の生活習慣が関係するだけでなく、母乳の新鮮さにも左右されます。
おいしい母乳であっても古い母乳であれば、色は青みがかった白色ではなく、透明感のない白色の母乳になってしまうのです。
母乳は、いつでも赤ちゃんにできたてのものを飲ませてあげられている印象がありますが、授乳間隔が空き過ぎたりするなど、飲まれなかった母乳は古くなっていくので注意が必要です。
母乳は美味しくなくちゃダメなの?
まずい母乳は、色に濁りがあったりと飲むのに躊躇してしまうような色をしているだけでなく、質感もドロッとしていたり、脂っぽく、味も苦い酸っぱい渋いとバリエーションのあるまずさです。
母乳であればゴクゴク飲んでくれそうな赤ちゃんですが、一応、味の良し悪しを理解していますので、そんな母乳を飲ませようとすると赤ちゃんが母乳を飲んでくれなくなってしまう可能性が高くなります。
飲んだとしても、乳児湿疹など赤ちゃんに肌トラブルを招く場合もあります。
また、赤ちゃんが母乳を飲まなくなると、母乳はママの胸に溜まったままになるので、ママ自身も乳腺炎などのおっぱいトラブルになりやすくなります。
以上のことから、母乳はおいしい状態に保っておく必要があるのです。
普通の味ならOK?
基本的には普通の味であれば、可もなく不可もなく味のため赤ちゃんも嫌がって飲まないことはないかと思われますが、絶対赤ちゃんが飲むとは限りません。
赤ちゃんも味を感じて母乳を飲んでいるわけですから、例えば、おいしい味からたまたまその日が普通の状態になってしまった場合に、味の変化に違和感を覚えて「まずい」と判断してしまう可能性も否定できません。
実際、授乳中に生理がきたことによる経血の関係で味に変化が出てしまい、赤ちゃんが飲むのを嫌がるケースもあります。できるだけ、母乳は美味しさを保つようにしましょう。
母乳の味はどうやって確認すれば良い?
母乳の味の状態によって、赤ちゃんだけでなく場合によってはママにも影響が出てしまう恐れもあることを考えると、母乳は要確認といえます。
母乳の状態の確認には、色合いの他、味や感触で確認することもできますが、ここでは色に絞って母乳の確認方法をご紹介します。
その方法については以下の通り。色は見た目にはっきり出るので、母乳の状態が確認しやすいです。
更に、味や感触と総合することでより母乳の状態が把握しやすくなるので、合わせて確認してみて下さい。
母乳の色を自分の目で見て確認
色の確認なので、自分の目で見るのが一番です。
とはいえ、赤ちゃんが飲んでいる時に母乳の色を確認することはできませんので、見る時は搾乳する際に確認するようにしましょう。
もしくは、乳腺炎予防などで行う乳首マッサージの時に一緒に確認するのもおすすめです。マッサージや搾乳と関係なしに、絞って母乳の色を確認するママもいます。
重要なのは母乳の状態を確認し忘れないことなので、ママが忘れず、尚且つやりやすいと思う方法で、母乳の色を確認してみて下さい。
白いタオルを使おう
自分の目だけに頼るのに不安が残る場合には、白いタオルを使って確認する方法もあります。やり方としては、柄も色もついていない真っ白なタオルを準備し、そこに母乳を垂らします。
母乳を確認するタイミングは、搾乳した時やマッサージの際などママによってさまざまですが、確認する母乳は時間をおかずにすぐに確認するようにしましょう。
垂らした後も白いタオルに変化が見られない、もしくはクリーム色に染まる程度であれば問題なし、問題があれば注意したい色でも挙げた黄緑やオレンジ、黄色にタオルが染まります。
最初と最後で母乳の色が異なるって本当?
一般的な飲み物と同じように、母乳もおいしいならおいしいと一定の味を保っていそうですが、日によって色が変わるように、飲みはじめと終わりで味が異なるといわれています。
飲みはじめは水分多めのような薄い味、そして、飲み進めるうちに次第に味が濃くなっていき、赤ちゃんが飲み終わる頃には、脂肪分がたっぷり詰まった濃厚な味になっていきます。
これに関しては、色合いにも同じことがいえます。自分の母乳の確認をする際に、ママによってその時間はまちまちですが、途中や最後の方では色が濃くなっていることが予想されます。
そのため、確認する際には授乳する前に行うことが大切です。
おいしい母乳を作るには?
おいしい母乳を作るには、ママの日頃の食事が非常に大切になります。
魚の種類によっては、摂取したことによって母乳が魚臭くなってしまう話は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
おいしい母乳を作る上では、食事の栄養バランスが重要になってきますが、食材の種類は数多くあります。
では、授乳中に食事をする時、どんなことに気を付けていけば良いのでしょうか?注意点は次のようになります。
糖分、脂肪分は控えよう
ケーキなどの甘い物や揚げ物系などの脂っぽいものは、好きなママも多いですが、おいしい母乳を赤ちゃんに提供するためにも、授乳中は控えるよう注意しましょう。
これらの食材は脂肪分も高めなため、母乳をドロドロにさせる原因になりやすく、母乳の色も濁った白色、真っ白な色にしてしまうからです。
とはいえ、まったく食べないというのは精神的にストレスになってしまうため、あくまで控えめに。
甘い物であれば、少量の和菓子に代替えするのも良い方法です。
香辛料に注意
濁りのある白色をした母乳は、苦かったりするなど味がまずいことをお伝えしましたが、このまずさに香辛料、特に辛い料理が関わっていることもあります。
実際、辛い料理を食べた後だと、赤ちゃんが母乳を拒んでしまうことが確かにあります。
大量に食べることがなければ、香辛料がすぐに母乳に移行してしまうことはありませんが、代表的なカレーなどの料理は、上記でも紹介した糖分や油脂が含まれることから母乳をドロドロの濁りのある白色にしてしまいやすく、乳腺炎の原因にもなるので注意が必要になります。
和食がオススメ
この食材を食べたからといって、確実に母乳の色も良くなって美味しくなるという物は残念ながらありません。
そのため、少し大変かもしれませんが、ママ自身も栄養バランスを意識して食事をすることが大切です。
また、栄養バランスに気を付ける他、授乳中には和食がオススメされることもあります。和食は、穀物や野菜、魚介類に汁物と、栄養バランスが良いラインナップだからです。
だからといって、毎日和食ばかりだと飽きてしまうこともあります。神経質になり過ぎるとせっかく栄養が摂れても、母乳が悪くなってしまいますので、ストレスのたまらない範囲でメニューに取り入れてみましょう。
授乳時の習慣も見直そう
母乳をおいしい色合いのものにするには、食事の栄養バランスだけでなく、授乳をする時の習慣も見直す必要があります。
母乳の色合いは、できたてであるかないかでも影響が出てくるので、古い母乳であればあるほど、その色は白く透明感のないものになっていきます。
授乳間隔に気を付けることはもちろんですが、この他にも注意したい授乳の習慣を紹介すると下記の通りです。
これらの習慣は、母乳をまずくするだけでなく乳腺炎の原因になることもあります。心当たりのあるママは直していきましょう。
偏りのある授乳
偏りというのは、赤ちゃんに片方の母乳でしか授乳をしていない場合が挙げられます。
母乳の出によって、量の多い方で授乳している場合や、赤ちゃん自身が片方の乳で満足してしまうことで、このような事態が起こります。
どちらか片方の母乳だけで授乳していると、あげていない方の母乳が余ってしまうことになり、時間が経つごとに古くなっていきます。
次の授乳時間にあげようと思うママは多いようですが、赤ちゃんによっては嫌がる可能性が大なので気を付けたいところです。
添い乳
授乳中の体勢はママにとって意外とハードです。そのため、添い乳のように寝転がって楽な姿勢で授乳をするママも珍しくありません。
しかし、この添い乳も母乳の美味しさを損なってしまう原因になります。楽な姿勢ですが、その姿勢により赤ちゃんの母乳の飲み残しが多くなってしまうからです。
母乳はママ自身が搾ることでもない限り、ずっと乳房内に留まり続けます。一度したからといって、必ず母乳の味が悪くなるとは限りませんが、なるべく行わないようにしましょう。
まとめ
色を中心においしい母乳についてご紹介してきましたが、母乳は食事の栄養バランスだけでなく、ママの体調や、睡眠不足などの生活習慣、精神的なイライラでも美味しさに影響が出てきます。
色がさほど変わっていなくても、質感や味が悪くなっていることもあり得ないことではありません。
ですので、色合いだけでなく、味など他の注意点と照らし合わせながら確認するようにしましょう。
神経質になりすぎない程度に、母乳育児を乗り切っていきましょう。