赤ちゃんとの新生活はママにとって新鮮で楽しい反面、慣れないことも多く悩んでしまうことも珍しくありません。特に育児は、自分で初めてみるまで気付かなかった疑問がたくさん出てきます。
その1つに挙げられるのが、授乳時の赤ちゃんの抱き方です。
先輩ママたちは当たり前のようにしていますが、授乳する時どんな風に赤ちゃんを抱っこすれば良いのかすごく悩みます。
ママにとっては抱きやすくても、赤ちゃんにとって良いとは必ずしも限らないからです。
そこで今回は、
・授乳時に赤ちゃんをどう抱くといいの?
・いつも同じ姿勢で授乳してもいいの?
といった方に、授乳時に赤ちゃんをどのように抱っこしてあげるのがいいのか詳しくご紹介します。
授乳時の抱き方にこだわる理由
授乳する時どんな風に赤ちゃんを抱っこすれば良いのか、悩むママも多いです。
とはいえ、赤ちゃんがおっぱいを飲めているのであれば、授乳時にどんな抱き方をしていても問題ないような気がします。
それにも関わらず、抱き方に悩んでしまうママが多いのはどうしてなのでしょうか。考えられる理由を見ていきましょう。
ママの身体への負担がかかる
産後の授乳は、赤ちゃんが生まれてすぐの頃は1日に何回も行うことになります。
赤ちゃんによって個人差はありますが、数時間おきにおっぱいをあげることが多いので、その度に赤ちゃんを抱っこするママの身体には自然と負担がかかってしまう場合がほとんどです。
また、授乳時以外にも赤ちゃんを寝かしつけたり、あやしたりと赤ちゃんを抱っこする機会は多々あるため、肩や腰を中心に疲労が蓄積しやすく腰痛や肩こりに悩まされるママも少なくありません。
さらに、生まれたての赤ちゃんは体重も軽いので良いですが、成長してくると体重も重くなってくるため、抱く姿勢によってはママに多大な負担がかかってしまうこともあります。
赤ちゃんが飲みにくい
ママの乳首の形状や体質にもよりますが、赤ちゃんの抱っこの仕方によってはママにとって楽な姿勢でも、赤ちゃんがおっぱいを飲みにくくなってしまっていることもあります。
おっぱいが飲みにくい姿勢だと、赤ちゃんの機嫌が悪くなったり、授乳拒否をしてしまう恐れがあったり、母乳を飲み残してしまい乳腺を詰まらせたり、乳腺炎を引き起こしてしまうなどの恐れもあるので注意が必要です。
乳首の痛み
赤ちゃんがおっぱいを飲みにくくなってしまうだけでなく、姿勢が悪いと赤ちゃんが乳首をしっかりくわえることができません。
そうなると、赤ちゃんがおっぱいを上手く飲めない原因になるだけでなく、浅吸いにもなってしまいやすくママが乳首を痛めてしまう場合もあります。
また、ママの乳首の形状にもよりますが、特定の部分に負担をかけやすくなってしまうため、授乳のたびに痛みが生じるだけでなく乳首の皮がむけたり、切れてしまったりと乳首が傷付いてしまう可能性もあります。
抱き方に正解はない?
では、授乳時に赤ちゃんを抱っこする時に正しい抱き方はあるのかといわれれば、そういうわけでもありません。
赤ちゃんの抱き方にはいくつか種類があり、はっきりとした正解が決まっているわけではありません。
1番はママにとっても赤ちゃんにとっても楽な姿勢です。
最初のうちは赤ちゃんも授乳に慣れていないですし、ママも抱き方がぎこちないため、さまざまな抱き方を試しながらママと赤ちゃんにとってベストなポジションを見つけていきましょう。
授乳時の基本的な抱き方
授乳時の抱っこの仕方については、あまりにも不自然でない限りは特に決められていません。
しかし、授乳は1日に何回も行うことが多いため、気を付けていないとママの身体に負担がかかってしまったり、赤ちゃんが満足におっぱいを飲めないなど、ママにとっても赤ちゃんにとっても良くありません。
そのため、母子にとってちょうど良いポジションを見つける必要があります。
ここでは、授乳の時にママに負担が少ないとされる授乳の基本姿勢を4つまとめたので詳しく見ていきましょう。
横抱き
横抱きは赤ちゃんが横になっているように見える姿勢のことで、授乳時に目にすることの多い姿勢です。
授乳時の抱き方でまず挙げられる基本的な抱き方です。安定して飲ませやすいとされていますが、赤ちゃんが飲みやすいようサポートするのが難しいため、授乳をするのが初めてで慣れないうちは他の姿勢から始めた方が良いかもしれません。
また、赤ちゃんの首下などに腕を入れて支えるため、授乳時間が長くなってくるとアイテムなしでは肩や腕に負担がかかってしまうこともあります。
横抱きの注意点
横抱きは一見すると、ただ赤ちゃんを横に抱っこにしているように見えますが、次の通りいくつかポイントがあります。
・赤ちゃんがおっぱいを飲みやすいように頭を少しだけ後ろに反りかえさせる
・空いてる方の手で赤ちゃんの頭を押さない
・赤ちゃんの鼻先が乳首の前へ来るように位置を調整する
そのため、横抱きを行う際にはやり方をきちんと確認することが大切です。
脇抱き
脇抱きは赤ちゃんをボールを脇に抱えるように抱っこする方法で、フットボール抱きとも呼ばれています。
横抱きと比べて、掌でしっかり赤ちゃんの頭を支えるので授乳の際に赤ちゃんをサポートしやすく、産後すぐなど首がすわらない時期に授乳をしやすいとされています。
また、ぴったりと赤ちゃんに密着することから、赤ちゃんにとってもリラックスしやすい体勢のようで、眠そうな赤ちゃんや興奮状態にある赤ちゃんにも効果を期待することができます。
ちょうど赤ちゃんとママの顔が向かい合うようになるので、赤ちゃんの様子をママが確認しやすいのもポイントです。
縦抱き
一般的な抱き方である横抱きと異なり、赤ちゃんの身体を起こすような姿勢で授乳を行う方法です。
赤ちゃんがママの足に跨るような体勢で授乳を行うため、ママと赤ちゃんが向かい合っているような形になります。
脇抱きと同様、ママの手のひらで後ろから赤ちゃんの首を支えてあげることになるので、赤ちゃんが深く乳首をくわえこみやすいです。
そのため、乳房の上下にしこりができてしまっている場合や、扁平乳頭などの乳首の形状的が赤ちゃんにとって吸いにくい場合でも飲みやすいとされています。
交差横抱き
赤ちゃんの体勢やママの抱き方が横抱きと似ていますが、赤ちゃんを抱く腕が名前の通り交差しているのが特徴です。
一方の腕で赤ちゃんの背中を支えつつ、反対側の手で赤ちゃんの頭を支えることができることから赤ちゃんの体勢も安定しやすいのもポイントです。
いくつかある授乳の抱き方の中でも最も赤ちゃんをサポートしやすいとされています。
抱き方が似ていることから、赤ちゃんがおっぱいを吸うのに慣れてきたら横抱きに移行するママも多くいます。
添い乳
今までの抱き方の場合、ママは身体を起している状態でしたが、添い乳の場合のみママは赤ちゃんと向かい合うように身体を横にして行います。
身体を横にしてできるという点から、夜の時間帯に授乳を行う際にも、ママが楽に授乳をすることができるのがポイントです。
ただしこの抱き方の場合、赤ちゃんもママもお互いに身体を起さないまま行うため、赤ちゃんにしっかりと乳首をふくませるのが難しく、母子共に授乳に慣れてきてから行う方がいいとされています。
添い乳の注意点
添い乳の場合は、赤ちゃんがゲップをしにくいというデメリットもあります。
ゲップをしないと、母乳と一緒に呑み込んだ空気により吐き戻してしまったり、お腹を圧迫してしまうなどの原因になります。
赤ちゃんがゲップをしにくそうな場合には、きちんと身体を起して背中をさすってあげるようにしましょう。
授乳時に抱き方で注意したいこと
赤ちゃんにおっぱいをあげる際、どんな抱き方で授乳するにしてもいくつか注意したいことがあります。その注意点について見ていきましょう。
授乳しやすい姿勢を見つけるだけでなく、ママの身体への負担軽減や、赤ちゃんがよりおっぱいを飲みやすくなることが期待できます。
そのため、授乳をする際には次の注意点に気を付けるようにしましょう。
猫背にならない
授乳中のママによく見られるのが、背中を丸めてしまうことです。
普段から無意識に猫背になってしまうママは多いようですが、授乳中に猫背の姿勢になってしまうと肩や首などに負担がかかってしまいママの身体に良くないとされています。
おっぱいを飲む赤ちゃんを見つめるあまり前屈みになってしまうのかもしれませんが、負担が蓄積されてくると肩こりや腰痛を引き起こす原因にもなります。
授乳をする際には、ビシっと胸を張る必要はありませんが、猫背にならない程度に背筋を伸ばすよう意識しましょう。
赤ちゃんの顔、身体の向き
基本に忠実な型通りの抱き方を実践していても、赤ちゃんの顔や身体の向きがバラバラの方向を向いてしまっていれば、赤ちゃんはおっぱいを飲みにくいままです。
乳首を深くくわえられない原因にもなりますので、浅吸いになってしまいやすくママが乳首を痛めやすくなります。
そのため、授乳時に赤ちゃんを抱っこする時は、ママの身体に密着するように赤ちゃんの顔と身体を同じ方向にしてあげましょう。
特に顔はおっぱいに対して真っ直ぐな方向になるように調節してあげることが大切です。
自分にとって授乳しやすい姿勢にする
ママに負担が少ないとされる抱き方を5つ紹介しましたが、どれがママにとって赤ちゃんを抱っこしやすいかは人それぞれです。
そのため、ある抱き方が他のママたちにとって評判が良かったとしても、それがママ本人に当てはまるとは限らないので注意しましょう。
無理に周囲の意見に合わせようとするとストレスになってしまい、母乳の出や質にも影響が出てしまいます。
授乳の時間はママと赤ちゃんがリラックスできる大切な時です。他人の意見は参考程度に考えて、さまざまな抱き方を試しながらママと赤ちゃんが最もリラックスできるポジションを見つけましょう。
抱き方は時々変えよう
ママと赤ちゃんが授乳しやすい抱き方を見つけることが大切とお伝えしましたが、時々は赤ちゃんの抱っこの仕方を変えてあげることも大切になります。
ママと赤ちゃんがストレスなく授乳タイムが過ごせることももちろん大切なのですが、同じ姿勢で授乳をしているとその部分しか乳腺を使わなくなってしまうため、飲み残しが出てきてしまいます。
母乳の飲み残しは乳腺炎の原因にもなってしまう恐れがあるため、それを防ぐためにも時々は別の抱き方でおっぱいを赤ちゃんにあげるようにしましょう。
アイテムを使うのもアリ
授乳時に赤ちゃんを抱っこする際、いくら負担がかかりにく姿勢であったとしても、長時間の授乳や回数が多いとどうしてもママの身体に負担がかかってきてしまいます。
そんな時は無理をせず、アイテムを使うのも1つの方法です。
ここでは、授乳時にママをサポートしてくれるアイテムについてまとめたので確認してみましょう。
ただし、アイテムは万能ではありません。
期待できる効果には個人差がありますし、使い勝手にも相性があります。色々試してみながら自分にぴったりなアイテムを見つけましょう。
椅子など背もたれのあるもの
アイテムというと揃えるのにお金がかかったり、その時にしか使用しないイメージがあるので購入を躊躇してしまうことも少なくありません。
しかし、椅子などの身近にあるアイテムでも、選び方一つでママの負担を緩和する効果が期待できます。
背もたれがある椅子は姿勢を楽にすることができますし、ひじ掛けがある椅子だと腕を置くことができるので腕や手の負担が軽減されます。
また、赤ちゃんの首がすわらないうちは体勢を安定させてくれる効果も期待できます。椅子の他にもソファを利用するのも良いでしょう。
バスタオル
バスタオルもママのサポート効果を期待することができます。
バスタオルは畳めばそれなりの厚みがでるので、自分で畳み方を変えたり枚数を重ねたり、サイズを変えることで高さを調節することもできます。
そのためバスタオルは、授乳クッションのようにママの負担軽減にも役立ちます。
また、椅子に座る時など背中や腰を痛めやすい人は、椅子と腰の間にバスタオルを挟んでクッションにすることも可能です。
さらにバスタオルは広げれば簡単なケープにすることもできます。外出の際もコンパクトになるので荷物にならないのも嬉しいところです。
授乳クッション
授乳クッションは、授乳時のママのサポートアイテムとして最も利用されている物です。
さらに授乳クッションは、授乳クッションとしての役目を終えた後も、抱き枕にしたり、赤ちゃん用のクッションとして活用できるなど、長く使用できるタイプも増えてきているので1つは持っておくと楽かもしれません。
デザインや形状も多種多様で素材にこだわったものもあるため、自分だけのマイクッションを探してみるのも良いですね。