ママにもよりますが、産後は完母で育てたいと考えているママは多いはず。
赤ちゃんにとっても、おっぱいをあげる時間は落ち着ける時なので、バタバタする子育ての中、ママにとってもちょっとした一息入れる時間を過ごすことができます。
しかし、授乳を続けていると、理由もなくイライラしてしまうことも。
そこで今回は、
・授乳中にイライラしてしまうのはなぜ?
・母乳育児のデメリットは?
・授乳中のイライラ対策は?
といった方に、ママにとっても赤ちゃんにとっても至福のひと時である授乳タイムに、イライラを感じてしまうのはどうしてなのか、イライラしてしまった場合の対処法などについて詳しくご紹介します。
授乳時のイライラ症状
赤ちゃんとの新生活は楽しくて和やかで、笑顔に満ち溢れた生活をイメージする人も多いですが、実際のところは、原因不明のイライラ・ストレスと日々戦っているママがたくさんいます。
授乳中に見られるイライラ症状もその1つで、授乳をしている最中に、赤ちゃんにおっぱいをあげるのが嫌になってしまったり、授乳をやめたい、辛いと感じることがあります。
また、赤ちゃんが暴れるなど、授乳時の赤ちゃんの様子や、胸が張るなど身体的なトラブルをきっかけに授乳が嫌になってしまうママもいます。
ノイローゼになってしまう人も
おっぱいを赤ちゃんにあげるのが嫌になってしまったり、面倒臭くなってしまうだけでなく、授乳をすること自体に不快感を感じてしまうママもいます。
母乳は赤ちゃんが成長するまで、毎日、1日に数回はあげるものなので、ママによっては授乳自体に疲れ果ててしまうママも多いのです。
また、粉ミルクの開発も進み、粉ミルクとの混合育児や、ミルクでの子育ても最近では珍しくなくなってきていますが、それでも母乳で育てた方が良いという風潮も未だに残っているため、無理して母乳育児を続けてしまう結果、ノイローゼ気味になってしまうママも少なくなくありません。
授乳中にイライラする原因とは
ストレスやイライラは、ママにとって精神的にも身体的にも悪影響を与えてしまう恐れがあるため、早め早めに原因を解消したいところです。
ですが、授乳時のイライラの原因特定を難しくしているのが、ママによって個人差があるとはいえ、授乳が終わればイライラが静まってしまうこと。
このように、産後に感じるイライラの中でも、授乳の時だけと限定的なため、何が原因なのかわかりにくくなっています。
授乳中にイライラしてしまう原因は一体何なのでしょうか?考えられる原因については次の通りになります。
自分の時間が無くなる
赤ちゃんにおっぱいをあげるとなると、母乳の質、赤ちゃんの抱き方やおっぱいの飲ませ方、母乳の出、赤ちゃんがきちんとおっぱいを飲めているかなど、気にしなけれいけないことがたくさんあります。
また、生まれてすぐは、数時間おきに赤ちゃんに何回も授乳をしなくてはいけないので、睡眠不足になってしまったり、ママ自身の時間を取るのが難しくなってきてしまいます。
授乳は一生続くわけではありませんが、しばらくは毎日続くので、ストレスの解消が中々できず、授乳にイライラしてしまうことがあります。
不快性射乳反射
DMERと呼ばれる状態のことで、授乳をすることで脳内にある快楽、心地よさを感じるドーパミンが急激に低下してしまうことから、赤ちゃんにおっぱいをあげることに不快感を感じてしまいます。
理由としては母乳を出す際の、プロラクチンの分泌。
赤ちゃんがおっぱいを飲む時、乳首を吸いますが、この時、脳にその刺激が伝わり、オキシトシンと呼ばれる、これも同じく母乳が出るように促すホルモンが分泌されます。
ですが、この際にドーパミンを下げてしまう働きのある、プロラクチンも一緒に分泌されるため、そのホルモンの働きにより、赤ちゃんの授乳にママが不快感を覚えてしまう場合があるのです。
そして、この不快性射乳反射の場合、赤ちゃんにおっぱいをあげるのが嫌になってしまう他、授乳中に首元がゾクゾクしたり、全身にゾワゾワとした不快感が走るといった症状が見られることもあります。
ママによっては、その不快感から、添い乳などでおっぱいを赤ちゃんにあげていても目が覚めてしまう人もいるほど。
以上のような症状で、授乳が終われば落ち着くというようであれば、不快性射乳反射だった可能性があります。
赤ちゃんへのイライラ
おっぱいをあげていると、赤ちゃんがぐずってしまったり、泣いたり、暴れてしまったりと中々飲んでくれない時があります。
赤ちゃんというと、泣いていてもおっぱいをあげれば落ち着いてくれそうなイメージがありますから、おっぱいを飲んでくれないというのは、ママにとって少なからずショックなことです。
赤ちゃんが飲んでくれないこともあまり珍しいことではないのですが、ママによっては「どうして飲んでくれないの!」という気持ちや、飲んでくれないと時間が過ぎる一方なので「自分の時間がどんどんなくなっていく」という思いで、イライラの原因になってしまうことがあります。
性的な興奮
個人差はありますが、セックスをする際に乳頭へ受ける刺激により、女性は性的興奮を覚えることがあります。
この時、女性の乳腺には、血液が送られるような流れが身体には組み込まれているのですが、授乳もまた、搾乳機でも使用しない限りは、赤ちゃんが乳首から直接飲んでもらうような形になっており、乳頭に受ける刺激と近いものであることから、授乳中にママの身体が性的興奮状態に入ってしまうことがあります。
母乳はママの血液を原料に作られることからも、身体が勘違いしてしまうのは仕方ないことなのですが、その興奮がママにとって不快感となってしまい、授乳中にイライラしてしまう原因になることもあります。
複数の原因が重なることも
いくつか考えられる原因について挙げましたが、必ずしもどれかが当てはまるというわけではありません。
産後は、赤ちゃん中心の生活で疲労が重なってしまったり、慣れない育児へのプレッシャーや不安など、さまざまなストレスが考えられ、ママはイライラしやすい時期です。
人それぞれ何をストレスに感じるかは異なりますし、ママによっては1つのストレスではなく、複数のストレスが心身を攻撃している恐れもありますので、何がストレスなのか注意深く見極め、1つずつ解消していくことが大切です。
母乳育児によるデメリット
授乳中にママがイライラしてしまいやすいのには、自分の時間が上手く取れなかったりするなどいくつか原因が考えられますが、この他にも、母乳育児をすることによるデメリットが、ママのストレスになってしまっている場合もあります。
母乳育児をすることで考えられるデメリットについては以下の通りです。
赤ちゃんには完母の方が良いという流れはありますが、ママの体調や負担をよく考えた上で選択しましょう。
授乳時の協力が難しい
搾乳をしたり、粉ミルクと混合育児をしているといった方法を取るなら別ですが、おっぱいから赤ちゃんに直接あげたい、と考える場合、ママ本人にしか赤ちゃんへ授乳してあげることができません。
そのため、周囲へ協力を頼みたくても、授乳に関してはママ1人で頑張らなくてはいけなくなります。
もちろん、授乳をする時にパートナーが傍にいてあげるなど、別の方法で協力をすることはできますが、誰にも授乳を代わってもらえないというのは、ママにとってストレスになりやすいのです。
特に生まれてすぐは、夜中に授乳をすることもありため睡眠不足にも陥りやすく、その疲労からイライラしてしまいやすいママもいます。
手軽に預けられない
母乳だけになってしまうと、ママにしかあげられないため、何か用事があっても赤ちゃんを預けることが難しくなってしまうのもデメリットの1つです。
搾乳をすれば簡単に預けられそうなイメージがありますが、赤ちゃんにも慣れというものがありますので、個人差があるとはいえ、いきなり哺乳瓶を出されても、嫌がって飲まない赤ちゃんも少なくありません。
ママがイライラしてしまう原因に「自分の時間がなくなる」とありましたが、このような理由から、取りたくても取れないというママも多くいるのです。
おっぱいトラブルに苦しむことも
母乳育児をしていると、赤ちゃんの飲み方や母乳の出などで、母乳がおっぱいに残ってしまうことがあります。
これは、赤ちゃんにおっぱいをあげる際に、片方の胸だけであげている場合にも起こりやすく、放っておくと古い母乳が溜まってしまい、母乳の質が落ちてしまうのはもちろん、母乳詰まりを起こして、乳腺炎などのトラブルを引き起こしてしまいます。
また、赤ちゃんも最初のうちはおっぱいを飲むのに不慣れですし、ママの乳首の形状や授乳時の抱っこの仕方によっては、乳首に負担がかかってしまい、乳首の皮がめくれてしまったり傷付いたりと、注意していないとママが痛い思いをしてしまうこともあり、注意が必要です。
制限されることが多い
母乳育児をする場合、母乳のことを考えて、好きな食べ物や飲み物が制限されてしまうこともあります。
絶対に食べてはいけないというわけではないのですが、甘い物や青魚など摂取してしまうことで、母乳の質や味に影響が出てしまうことが考えられるからです。
また、飲み物に関しても、お酒やコーヒーを控えたり、血液の流れに影響が出てしまうことから冷たい物よりも温かい物を優先して摂取した方が良いとされています。
産後、好きな物を食べたり飲んだりしたいと考えると、母乳育児中のちょっとした制限はママにとって窮屈に感じられ、イライラしてしまう原因になってしまう人も。
絶対ダメというわけではない
母乳のことを考えて、授乳が終わるまでは好きな食べ物や、飲み物に気をつける必要がありますが、絶対に口にしてはいけないというわけではありません。
むしろ我慢してしまうことの方がストレスを招いてしまう原因になるからです。
赤ちゃんへの影響が考えられるアルコールなどはもちろん控えた方が良いですが、ママや赤ちゃんにとって危険なものでなければ、過剰摂取しないよう気を付ければ気分転換に楽しむのはアリです。
赤ちゃんのことを考えることも大切ですが、時にはママ自身を甘やかす時間も作ってあげて下さい。
ママ失格と思わないこと
授乳中にママがイライラしてしまう原因には、ホルモンの影響や育児疲れなど、さまざまな原因を挙げることができます。
そのため、授乳中にイライラしてしまうのは珍しいことではなく、仮にイライラしない人が周囲に多いからといって、自分だけが違うと思う必要はありません。
ですから、ママ失格でも何でもないのです。もし、授乳中にイライラしてしまうことがあった場合には原因を考え、自分に合った対処法でイライラを乗り切っていきましょう。
イライラする時にできる対処法
ホルモンなど生理的な原因もあるとはいえ、イライラを抑え込むのは難しくても、心身の影響を考えてストレスは小まめに解消していきたいところです。
では、イライラにはどんな対処をしていけば良いのでしょうか。イライラの緩和が期待できる対処法については次の通りになります。
気分転換する時間を作る
そんな時間なんて、と思うかもしれませんが、ママは頑張っていても自分を追い込んでしまう傾向があるため、ちょっとの息抜きくらいしてもバチは当たりません。
まとまった時間を作るのが難しい場合には、30分でも1時間でも良いので自分の好きなことを楽しんでみて下さい。
ゆっくり睡眠に当てるのも良いですし、お茶を飲んだり、読書をするのでも構いません。また、家族やパートナーなど周囲に協力してもらって休むのも。
授乳を代わってもらうのは難しくても、2~3時間預かってもらうだけでも心身のリフレッシュが期待できます。
誰かに話してみる
1人で抱え込まずに誰かに話すのも、イライラの緩和が期待できます。
授乳中にイライラしてしまうことは、話すのに抵抗があるママも多いかもしれませんが、何もおかしいことではありません。
実際、親しい友人や、身近な子育ての先輩である母親に打ち明けたことで心が軽くなった人もたくさんいます。
それでも、話しにくいようであれば、病院や母乳相談室へ相談してみるのもアリです。専門の先生に思いっきり話してみるだけでも、不安が和らぎます。
思い切って止めてみる
現在は粉ミルクの開発も進んでいるため、母乳育児でなくても赤ちゃんはしっかり育ちます。
実際、母乳と粉ミルクの混合育児をしたり、完全ミルクで育てるママも少なくありません。
母乳で育てた方が、赤ちゃんに良いという風潮はありますが、それでママの体調が悪化してしまっては意味がありません。
止めてみる、という選択だけでなく、一時お休みをしてみるだけでもイライラ緩和が期待できますので、対処法の1つとして考えてみて下さいね。