産後に入ったら、何も気にせず好きな物を食べようと考えていたママは多いはず。
しかし、いざ産後になってみると、母乳で育児をすることになるので、結局食べる物に気を付けている場合がほとんどなのではないでしょうか。
母乳はママが摂取したものが直接影響してしまうため、甘い物や油っぽい物など過剰摂取は控えた方が良いものや、摂取しない方がいい物もいくつか存在します。
そんな中、食べて良いのかママを悩ませる食品にカレーがあります。
そこで今回は、
・授乳中にカレーは食べてもいいの?
・授乳中だけどどうしてもカレーが食べたい!
・授乳中にカレーを食べるなら注意点は?
といった方に、カレーを授乳中に食べても良いのか、食べるならどんなことに気をつければいいのかなどについて詳しくご紹介します。
授乳中のママがカレーに悩む理由
カレーというと、辛い食べ物の代表格に挙げられる食品の1つです。
さらに、香辛料が含まれているだけでなく味の濃い食べ物でもあるので、ママの中には食べることで母乳に影響が出てしまうのではないか、と不安に思うママも少なくありません。
そういうことであれば避ければ良い話ではあるのですが、カレーは作るのが簡単で、老若男女問わず人気の高いメニュー。
赤ちゃんだけでなく小さいお子さんがいるお家になってくると、避けるのはどうしても難しくなってきます。
授乳中にカレーはダメという噂も
また、ママの不安だけでなく実際に「授乳中にカレーを食べてはダメ」という噂を聞いたことがあるママも多くいます。
その理由にはやはり香辛料、いわゆるスパイスがたっぷり含まれていることや、その割合が40%にも上る動物性油脂(もしくは食用油脂)が入っていることが挙げられます。
では、普段使用しているルーと違うものを活用すれば良いのかといえば、そう単純な話ではなく、特に動物性油脂はカレールーの成分表に必ずといって良いほど表記されているものなので、カレーを辛口から甘口にしてみたところで、摂取することはほぼ避けられないといえます。
授乳中のママはカレーを食べてもいい?
香辛料や動物性油脂が含まれているカレーですが、不安があっても衝動的に食べたくなってしまう時はあるはず。
食卓の定番メニューである分、避けるのが特に難しいのも考えものです。実際のところは、授乳中であってもカレーを絶対に食べてはいけない、というわけではありません。
ただし、母乳への影響がまったくないとはいえませんので、カレーを食べる時は摂取量に気を付けることが大切になります。
一応、母乳には成分が一定に保たれるような力が、ある程度には働いているのですが、普段通りがっつり食べてしまったり、1~2日カレーを食べ続けるなど、長い期間カレーばかり食べるというのは避けるようにしましょう。
カレーを食べることによる影響
食べ方に気を付ければ、授乳期間中にカレーを食べても問題はあまりありませんが、それでも母乳への影響がまったくないわけではありません。
やはり、スパイスや動物性油脂が多く含まれているカレーは、何かしらの影響を母乳に与えてしまうことがわかっています。
その影響については次の通りです。その中には母乳だけでなく母乳を通して赤ちゃんに影響が及んでしまうこともあるので、くれぐれも注意するようにしましょう。
母乳が詰まりやすくなる
基本的にカレーは、サラサラというよりトロっとした食感が特徴で、これには小麦粉や油が多く使われています。
これらは体内に入ると糖分に変わってしまうため、カレーを大量に摂取するとお菓子などの甘い物、揚げ物など脂っこい物を食べる場合と同様に、母乳の濃度が濃く、ドロドロになってしまいやすく母乳を詰まらせる原因にもなります。
また、母乳詰まりをそのまま放っておくと、そこから炎症を起こしてしまうため、乳腺炎を発症する可能性が高くなりますので注意が必要です。
母乳の匂いや味が変わる
カレールーには唐辛子などスパイスが多く含まれていることから、カレーを摂取することで母乳の匂いが変わってしまう可能性が高くなります。
もちろん、赤ちゃんの中には気にせず飲む子もいるため絶対ではありませんが、その多くは、匂いが少しでも変わってしまうと嫌がったり不機嫌になったりする赤ちゃんがほとんどです。
特にスパイスは匂いが強いものが大半。さらに塩分や油脂が多いことから、味が変わってしまう可能性も高く、変化に敏感な赤ちゃんは母乳を拒否して飲まなくなってしまうことも。
乳腺炎の恐れも
カレーに含まれる油などから母乳詰まりになりやすいことは先にも触れましたが、この他にも、母乳の味・匂いが変化して赤ちゃんがおっぱいを飲まなくなってしまうことで、母乳詰まりを引き起こしてしまうケースもあります。
母乳に変化があると、赤ちゃんが作られた母乳を飲み残す割合が高くなるからです。こうした飲み残しも放っておくと炎症やしこりに繋がってしまいやすく、乳腺炎を引き起こしてしまう可能性が高いので注意が必要です。
赤ちゃんへの悪影響
ママがカレーを大量に摂取すると、母乳に影響が出てしまうだけでなく、母乳を通して赤ちゃんに影響が出てしまう場合もあります。
特にスパイスは赤ちゃんにとって刺激になりやすく、また赤ちゃんの臓器はまだまだ発達途中のため、母乳を通してスパイスを摂取してしまうことで腹痛や消化不良、下痢、湿疹が出てしまうこともあります。
平気そうに思えても、肛門の周囲など見えない所がただれてれてしまうケースも考えられますので、体の変化には注意するようにしてあげて下さいね。
母乳不足にも注意
また、カレーを摂取したことによる母乳の変化により、おっぱいを拒否してしまう子の中には、寝つきが悪くなったり夜泣きが多くなる場合もあります。
元々、夜泣きや寝つきの良し悪しには赤ちゃんそれぞれの個性があり、他にも原因は考えられますが、カレーを食べた直後にそんな様子が見られるようであれば、カレーの摂取による一時的な母乳拒否、それによる母乳不足で引き起こされている可能性もありますので注意するようにしましょう。
授乳中にカレーを食べるなら
以上のように、授乳中に限度を考えずにカレーを食べてしまうと、母乳の味が変化してしまうなどの影響が考えられるだけでなく、赤ちゃんの健康も心配されます。
とはいえ、何度もいうように過剰摂取をしなければあまり問題はないとされていますので、どうしてもカレーを食べたくなった時は、食べ方に一工夫を加えることが大切です。
ここでは、そんな授乳中にできる、カレーを食べる際の工夫についてまとめてみましたので確認してみましょう。
食べる量を抑える
普段よりも食べる量を抑えることが、授乳時にカレーを食べる時のポイントになります。個人差はありますが、いつも1杯半のご飯でカレーを食べるという場合はその半分くらい、なるべくいつもより少量を心掛けることが大切です。
カレーを食べたい時に量を抑えるというのは中々難しいですが、赤ちゃんへの影響も考えると、多く食べ過ぎないことは意識しておく必要があります。
特に、授乳時にはじめてカレーを食べる場合には、母乳と赤ちゃんへの影響も考えて食べる量は普段の半分以下を目安に、1~2日くらいは赤ちゃんの様子を確認することが大切です。
授乳中でも食べれるカレーレシピの活用
カレーを作る際にもっとも簡単な方法はカレールーの活用ですが、カレールーには香辛料や塩分などがたっぷり含まれているため、授乳中に食べる場合には量に気を付ける必要があります。
また、ママによっては質の良い母乳を作ることを考えて、栄養バランスのとれたカレーを食べたいと考えている人も。
そんな場合には、スパイスからこだわった手作りカレーがおすすめです。市販のルーと異なり、スパイスを自分で調整できるので身体にも優しく、簡単にできて授乳中にも安心なカレーレシピを紹介するサイトも多数ありますので、それらを活用してみましょう。
水の量を多めにする
手作りのカレーは調節がスパイスなどの調節が可能ですが、赤ちゃんが生まれたばかりの頃は子育て中心の生活になるため、料理に時間をかけられないという人も多くいます。
その場合はやはり市販に頼るのが一番ですが、この時に食べる量を抑える以外の方法として、目安で書かれた量よりも水分を多めにして作るという方法を挙げることができます。
正しい作り方より水分が多くなる分、ルーの感じはサラサラのスープカレーのようになってしまいますが、気になる塩分や動物性油脂が低くなるため、母乳の質が気になるママにとっては普通に食べるよりも安心です。
カレーを別に作る
水分多めのカレーは、授乳中のママにとって食べやすいカレーですが、パートナーや小さいお子さんがいる家にしてみると不評を買ってしまい、中々自分に合ったカレーを作れないというママも。
その場合には、思い切って家族とママ用と別々にカレーを作っておくというのも工夫の1つです。
お鍋が1つ増えるので少し手間がかかりますが、別々に作っている分、ママ用のは水分を多めにしたり、野菜を多く入れてカロリーを抑えめにしたりと、好きなようにアレンジを加えることができるので、家族はもちろん、ママも自分に合ったカレーを好きなだけ楽しむことができます。
辛口よりは甘口、中辛で
動物性油脂を市販のカレールーで避けるのは難しいですが、味は辛口よりも甘口や中辛を選ぶ方が良いといわれています。
カレーは基本的に辛めに作られている分、甘口よりは中辛、中辛よりは辛口と使用されるスパイスが多くなるためです。
辛いカレーが好きなママにしてみれば物足りないかもしれませんが、スパイスに関しては赤ちゃんへの影響も心配されますので、授乳中にカレーを食べる場合は、辛口は控えるようにしたいところです。
ただし、辛口に比べてスパイスが少ないというだけなので、甘口や中辛を選んだとしても摂取量にはくれぐれも注意するようにして下さいね。
スープ、サラダなどを付ける
また、授乳中にカレーを食べる時の一工夫として、カレー以外にも何か1~2品小鉢や汁物を加えることも、授乳時にカレーを食べる方法の1つになります。
カレーを作るとつい、カレーだけで済ませてしまいがちですが、1~2品何か付け加えるだけでも、摂取した際のカレーの塩分、脂質などの濃度を下げる効果が期待できます。
カレーに加える小鉢としては、スープ系やサラダが定番ですが、和洋のコラボでお味噌汁を付けるのもアリです。
また、濃度を低くするという理由から、お茶など水分を摂るのも良いので、小まめに飲めるよう事前に飲み物を多めに準備しておくと便利です。
赤ちゃんの様子によっては中断を!
授乳期間中のカレーの食べ方についていくつか挙げてみましたが、これらの方法を実践したからといって、絶対に安心というわけではありません。
ママの体質によっては、それでもカレーの影響が母乳に出てしまう可能性もありますし、赤ちゃんが匂いや味に敏感だった場合、少しの変化でも敏感に反応してしまう恐れもあります。
そのため、効果には個人差があると考えて、赤ちゃんがおっぱいを飲む時に嫌がる様子を見せたりするなど、何か反応が見られるようであれば、カレーを食べるのは一時中断することも大切です。
思い切って授乳を休む!?
カレーの食べ方を工夫していても、母乳や赤ちゃんへの影響が気になってしまう場合には、いっそのこと授乳を休んでしまうのも1つの対策といえます。
カレーの濃度やママの体質によって個人差はありますが、だいたい1日もあれば食べ物は消化されることから、半日~1日くらい休めばカレーによる母乳への影響はほとんどありません。
その間、母乳は休むことになりますが、粉ミルクを使用したり、粉ミルクが気になる場合にはカレーを食べる前に搾乳機を使って母乳を準備しておくという方法もあります。
産後のママは育児に家事と大忙しです。日々頑張る自分へのご褒美だと思って、自分の好きなカレーを食べて、1日ゆっくり休むカレーの日を検討してみるのもアリです。
ストレスが溜まらない程度に
赤ちゃんのためとはいえ、食べたい物を我慢するというのは心身に大きなストレスになります。
ストレスを解消できずにいると、それはそれで体にも心にも毒です。赤ちゃんを優先しなければいけない授乳期間中ですが、カレーは絶対食べてはいけないものではありません。
食べ方を工夫したり、思い切って休んでみたりと自分で折り合いをつけながら、授乳中もカレーを楽しんで下さいね。