乳製品は、カルシウムやたんぱく質が豊富に含まれていることもあり、成長過程の赤ちゃんにとって必要な栄養素でもあるため、授乳中のお母さんの中には積極的に食事に摂り入れるように心がけているという方も多いのではないでしょうか?
また、産院などでも勧められたという方も多いと思います。ですが、乳製品の摂り過ぎはおっぱいの質や赤ちゃんに影響がある場合もあります。
そこで今回は、
・乳製品はなぜ授乳中に必要なの?
・乳製品の摂り過ぎは赤ちゃんに影響があるの?
・授乳中のママが乳製品を食べるときの注意点とは?
といった方に、乳製品がおっぱいの質や赤ちゃんにどのような影響があるか、授乳中に乳製品を食べるときは何に注意すればいいのかについて詳しくご紹介します。
乳製品は本当に授乳中に最適な食品?
乳製品に含まれる栄養素であるたんぱく質やカルシウムは、赤ちゃんが成長する過程で大切な栄養素です。ですが、大切だとは分かってはいても、食事で必要量を毎日取ることは本当に難しいことです。
しかも産後は、妊娠中に増えてしまった体重を何とかしたいときでもあります。食事の量は増やさずに大切な栄養素を摂ることのできる乳製品は、手軽に食事に摂り入れることができる物が数多く、授乳中のお母さんにとって便利な食材です。
実際に毎日食事に摂り入れているという授乳中のお母さんも少なくありません。しかし、乳製品は適度な量を摂ることに関しては問題ないのですが、摂りすぎてしまうとおっぱいの質やトラブルを招くといわれています。
単に栄養価が高いからと、摂りすぎはよくないとされている注意が必要な食材です。赤ちゃんの成長とお母さんのおっぱいトラブルを避けるためにも、乳製品による影響を知っておきましょう。
次からは乳製品がお母さんと赤ちゃんに与える影響について見ていくことにしましょう。
乳製品の栄養面でのメリットはたくさん!
乳製品には色々な製品があります。代表的な牛乳をはじめ、チーズ、バター、生クリーム、ヨーグルト、アイスクリームなどさまざまな加工製品が販売されています。
これらには、カルシウムが豊富に含まれていますが、乳製品の栄養素は何もカルシウムだけではありません。
良質なたんぱく質をはじめ、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれています。三大栄養素といわれているたんぱく質や炭水化物、脂質は生命を維持するために大切な栄養素であり、赤ちゃんの成長にも不可欠なものです。
また、牛乳などに多く含まれているミネラルやビタミンも、さまざまな体の機能を調節してくれ、健康な生活を送るための手助けをしてくれます。
近年の研究では免疫力や内分泌系、循環器系などに良い効果をもたらすことが明らかとなっており、病気を未然に予防したり、病原菌から体を守る、また血圧改善など乳製品に含まれる栄養素が、体にたくさんの良い効果をもたらしてくれることが分かってきています。
そして、そんな乳製品に含まれる栄養素が良いとして、高機能なサプリメントもたくさん登場しています。
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乳製品だとお腹を壊してしまう方や、味そのものが苦手な方は、サプリメントで補ってみましょう。
まだ生まれたばかりの赤ちゃんにとって、お母さんからもらう母乳に含まれる免疫などは生命にも関わるものですし、妊娠中に赤ちゃんに奪われ不足している栄養素を補える乳製品は、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても大きなメリットのある食品です。
そんな理由もあり、多くの産院で産後の体力回復に役立ち、赤ちゃんへの母乳の質が良くなるからと、牛乳をはじめとする乳製品を食事に積極的に摂り入れるよう勧められてきたのです。
乳製品に隠されたデメリットとは?
そんな栄養価の高い乳製品ですが、最近ではそのデメリットについても研究が進められています。
もちろん、他の食材と合わせバランスよく適量を食事に摂り入れる分にはあまり問題視されていません。ですが、牛乳やヨーグルトだけを毎日食べているなど、偏った食生活の中で、特に産後の普段とは違う状況下において乳製品を過剰に摂ってしまうと、乳製品の高い栄養価が悪い影響を及ぼしてしまうことも考えられるのです。
母乳の質の低下
乳製品を多く摂りすぎると、母乳が高脂肪状態になってしまうため、母乳の質を下げてしまうといわれています。
よく良質な母乳のためには、脂質の多い食事を控えることが大切といわれていますが、牛乳などの乳製品に含まれている脂質が、母乳に悪い栄養を与えてしまうのです。特にチーズやバターなどは乳製品の中でも脂質を多く含む食品ですので、摂りすぎには注意が必要です。
脂質を抑えた乳製品なども今多く販売されていますので、そうした乳製品に切り替えるなどの工夫が必要です。
母乳が多く分泌される
母乳が出ないことで悩むお母さんは多いですが、多く分泌されることが良くないということを知っている方は余り少ないのではないでしょうか。
母乳は本来、赤ちゃんが飲む量だけ作られるのが理想です。しかし体質によっては乳製品を多く摂ることで、母乳の分泌が過剰になってしまうことがあります。
もちろん赤ちゃんが飲みきれなかった母乳は毎回絞り出してしまうことが一番ですが、完全に絞り切ることも面倒ですし、余計に刺激され、母乳の量が増えてしまうという方もいます。
こうした母乳の過剰分泌は、ケアを怠ると乳腺炎などのトラブルの引き金となります。母乳の分泌が多いなと思った場合には、例え少ない量しか乳製品を食べていなくても控えることが必要です。
赤ちゃんが便秘や下痢を引き起こす可能性が高くなる
赤ちゃんの消化機能は、まだ未熟です。そのためお母さんが乳製品に含まれる脂質を多く摂ることで母乳の質が変化してしまうと、母乳に含まれている脂質を分解することができずに、赤ちゃんが体調を崩してしまうことがあります。
はじめの症状としては、便秘や下痢です。消化しきれなれないことで赤ちゃんはお腹の調子を悪くしてしまうため、うんちの状態がまず変化します。
赤ちゃんの普段の排便と比べ、ゆるかったり、固かったりした場合には、お母さんの母乳の質の低下が疑われますので、乳製品の摂りすぎや脂質の摂りすぎに注意を払いましょう。
脂漏性湿疹を発症してしまう原因に
ママからもらったホルモンの影響もあり、皮脂の分泌が盛んなことや皮膚のターンオーバーのサイクルが早いことから赤ちゃんの皮膚は薄く乾燥しやすい状態となっています。
肌内部の水分が蒸発しないように赤ちゃんは皮脂を一生懸命分泌します。
その結果皮脂が皮膚を破りカサカサ、グチュグチュとなってしまいます。
よく脂漏性湿疹は母乳のせいといわれ、ヘこんでしまうママの多いと思いますが、直接乳製品だけでなることはありません。
しかし、過度に乳製品を摂りすぎた母乳は、ドロドロしており健やかな皮膚のためには少し気を付けたほうがいいでしょう。
赤ちゃんがアレルギー体質になる確率が上がる?
赤ちゃんはまだ小さいため、病気にかからないかと毎日気を使っているお母さんも多いのではないでしょうか。風邪やウイルスなど大人では何でもない病気でも、赤ちゃんにとっては生命にかかわることもあります。
また、多くの物にさらされていない赤ちゃんにとっては、アレルギーも心配する病気の一つです。アレルギーは遺伝などが大きく影響するともいわれていますが、遺伝だけで発症するものでもないため、防げるものなら防いであげたい病気の一つです。
日本では乳製品も代表的なアレルゲンです。アレルギーの原因はさまざまな要因が絡み合っているため、一概には乳製品だけとはいえませんが、最近では妊娠中や授乳中のお母さんの食事にも注意が必要であると産院でも指導されています。
乳製品は日常で摂取することの多いアレルゲンであるため、遺伝などの確率が高い場合には節制が勧められているのです。もちろんお母さんやお父さんにアレルギーがない場合でも、薬の飲みはじめや離乳食を食べ始めた段階で、赤ちゃんにアレルギーがあることが分かることがあります。
乳製品を食べすぎたからアレルギーが発症するという訳では必ずしもありませんが、まったくないというわけでもありません。過剰な乳製品の摂取が赤ちゃんのアレルギーの要因となるのも否定できません。
このようなアレルゲンは、お母さんの母乳からも移行する可能性があります。まだ消化機能の不十分な赤ちゃんですので、気を付けてあげましょう。
乳製品を食べる時には何に注意が必要?
乳製品とは、動物、特に牛の乳を原料とした製品です。牛乳はもちろんのこと、牛乳を使った製品はすべて乳製品ということになりますので、成分表記を必ず確かめて食事に摂り入れるようにしましょう。
では、授乳中に気を付けるべき乳製品について見ていくことにしましょう。
生クリームやバターなど脂質の多いものは控える
脂質の多い乳製品は、お母さんの母乳にも赤ちゃんにもあまり良くないものといえます。そのため、食べすぎには注意が必要です。
外食や買って来た惣菜などを頻繁に口にする方は、知らず知らずのうちに、高脂肪の乳製品を多く摂りすぎてしまうことがあるため、気を付けるよう心がけましょう。
また、赤ちゃんの母乳の飲みが良くないという場合には、脂質が多く含まれた質の悪い母乳になってしまっている可能性がありますので、乳製品などを控えてみましょう。
乳腺炎や赤ちゃんのお腹の調子が良くないというケースでも、脂質を多く含んでいる乳製品には特に注意を払ってみることが大切です。
甘い乳製品、ケーキやプリンに注意
ケーキやプリンなどの乳製品には、高脂肪のバターや生クリームが多く使われているだけでなく、糖分も多く含まれています。糖分は、脂質に劣らず母乳の質を下げてしまう栄養素です。
妊娠中控えていた方にとっては、食べたい欲求を我慢することになってしまい、辛いことかもしれませんが、高脂肪、糖分の多い食事は赤ちゃんにとってもお母さんにとっても良くありません。
たまにご褒美程度で食べることが大切です。ヨーグルトなどの発酵食品は乳製品の中でも摂りすぎの心配のない製品ですが、糖分が多く含まれているものもあるため、糖分控えめの物を選ぶなどの工夫が必要です。
洋食には乳製品が多く使われている
グラタンやパスタなど、洋食を好んで食べるというお母さんもいますが、洋食の食事には多くの乳製品が使われています。
牛乳などあまり飲まないようにしていても、洋食中心の食事ばかり摂ってしまっていると、過剰に乳製品を摂っていることになってしまい、乳腺炎、赤ちゃんのトラブルの引き金になりかねません。
高脂質のバターや生クリーム、チーズなどがたくさん使われているものも多いので、家での食事はもちろんのこと、外食の際には特に注意して食事のメニューを考えてみましょう。
どのくらいの乳製品を食べるようにすると良い?
栄養価の高い乳製品ですので、全く摂らないというのも良くありませんが、授乳中は摂取する量に気を付けることが必要です。どんな食品も適度に摂ることが一番です。
牛乳の場合、成分無調整とそうでないものがあります。それぞれの製品によって若干の違いがありますが、授乳中飲んでも問題ないとされている牛乳の量の基準は一日400mlです。
他の乳製品を摂取するかによって量は調節する必要はありますが、おおよその目安として食事を考えましょう。
また、脂肪分がどうしても気になる方や、乳製品自体が苦手な方はサプリメントで摂取してみましょう。
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用量用法を守れば、過剰に摂取することもなく、忙しい育児の合間に飲むことができるのでおすすめです。
また、お母さんや赤ちゃんの状態によって乳製品の摂取量を調節して見ても良いです。毎日食べても問題がないようであれば、特に気にすることはありませんが、お母さんや赤ちゃんの体質などで個人差があるものですので、赤ちゃんの母乳の飲みが悪い、お腹がゆるい、湿疹が出るなど、気になることがある場合には控えたり、おおよその目安量を設けてみてください。