赤ちゃんをいつものように授乳していたら、突然おっぱいをガブっ!と噛まれて悲鳴をあげた経験はありませんか?
噛まれた経験のある人は分かると思いますが、歯がまだ生えていない赤ちゃんに噛まれても結構な痛みがあるので、歯の生えている赤ちゃんにおっぱいを噛まれると、赤ちゃんに噛まれたとは思えないほど強い痛みがあります。
一度の授乳で1回噛まれるだけならまだ我慢ができますが、授乳中にずっと歯が当たって血が出てくるということもよくあります。
そこで今回は、
・赤ちゃんがおっぱいを噛むのはどうして?
・赤ちゃんがおっぱいを噛むのをやめさせたい!
といった方に、おっぱいを飲んでいる赤ちゃんはなぜお母さんのおっぱいを噛むのか、また、噛まれるときの対策はどうしたらいいのかについて詳しくご説明します。
赤ちゃんがおっぱいを噛むには理由がある?
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赤ちゃんは何も理由なくお母さんのおっぱいを噛むわけではありません。いくつかの理由がありますので見ていきましょう。
歯が生えてきたのが気持ち悪い
生まれてすぐの頃の赤ちゃんは歯がまったくありません。
ですが、徐々に成長して歯が生えてくることになると、上手におっぱいを飲んでいても、歯ぐきがむずむず、痛いような痒いような感覚がでてきます。
歯ぐきがむずむずするので、感覚を紛らわせるために、周りのモノを噛むようになる時期があります。
この時期に授乳すると、おっぱいで歯ぐきを研ぐように擦り付けるので、お母さんにとって噛まれたということになることが考えられます。
赤ちゃんはわざと悪気があって噛んでいるのではなく、自分の不快感を解消するために歯ぐきでおっぱいを噛んでいます。
母乳が充分に出ていない
母乳育児をしていると、どれぐらい赤ちゃんが母乳を飲んでいるのか、母乳の量は足りているのかということがはっきり分からないので不安になります。
特に、初めて授乳するというお母さんのおっぱいは、まだ母乳を出す乳腺が開通していなかったり、母乳の分泌量が少なかったりするので、赤ちゃんに与える母乳の量が足りないこともあり、赤ちゃんがなかなか満足せず、強く歯ぐきで噛んだりする時があります。
乳頭が硬く母乳を飲みづらい
初めて母乳を与える人のおっぱいは、まだまだ完全に機能するおっぱいになっていないのが普通です。
出産時からいっぱい母乳が出る人や、赤ちゃんとお母さんのおっぱいの相性が良い場合は、比較的簡単に生まれたての赤ちゃんでもおっぱいを飲むことができます。
しかし、出産間もないお母さんのおっぱいは、乳頭などが硬かったり、赤ちゃんがくわえにくい形の場合もあり、赤ちゃんもおっぱいを上手に飲むことができません。
赤ちゃんがおっぱいを飲む場合は、赤ちゃんの口を大きく開けさせて、乳頭をしっかり深くくわえることが大切ですが、簡単なようでなかなかできない赤ちゃんも多く、「浅飲み」という状態になってしまいます。
浅くしかおっぱいをくわえられないと、なかなか母乳は出てきませんし、中途半端に乳頭をくわえられるので、乳頭の浅い位置に必要以上に力が加わって、噛まれたときのように痛みが生じます。
生まれたての赤ちゃんがおっぱいを飲むときは、生まれてすぐから実践練習でおっぱいを飲む練習をしているのです。
生まれて間もない赤ちゃんの噛む力はまだまだ弱いものですが、長時間何回も授乳していると、噛まれて切り傷を負ったときのように痛くなったり、出血したりします。
遊び飲みをし出す
生まれて間もない赤ちゃんは、母乳を飲むことに必死で無我夢中ですが、おっぱいを飲むことが上手になったり、余裕が出てくると、おっぱいを遊びながら飲むようになります。
特に、離乳食が始まってきて、食べ物である程度お腹も栄養も満足できるようになると、母乳の必要性が飲み物、食べ物という面ではなくなり、精神的な安定というものに変わってきます。
気持ちにも余裕が出てきて、栄養面にも問題がなくなると、赤ちゃんは授乳中にお母さんとコミュニケーションするかのごとく、おっぱいで遊ぶようになります。
おっぱいを飲んでいるような口で、遊んでいるような飲み方をしているときや、目をつぶって一心に飲んでいるのではなく、目をしっかり開けてお母さんを観察していたり、歯ぐきを見せながら笑いながら飲んでいたりするときは、遊んでいると思ってよいでしょう。
お母さんのおっぱいを噛むときも、遊びの延長上での行動です。
お母さんの気を引こうとしている
赤ちゃんとお母さんとの授乳の時間は、子育ての中で非常に大切な時間です。親子が1日に何度も触れ合って、愛情を確かめられる幸せの時間です。
しかし、育児中のお母さんは常に疲れていますし、授乳の時ぐらいスマホやテレビをゆっくり楽しみたいという人もいて、赤ちゃんの存在を無視しながら授乳している人も少なくありません。
赤ちゃんにとってお母さんの腕の中で、お母さんに微笑まれながらおっぱいをゆっくり楽しみたいのに、お母さんがまったく自分に関心を持っていないという状態になっていると、敏感に反応します。
そんな時は、お母さんの気持ちをこちらに引き寄せようとわざとお母さんのおっぱいを噛んで知らせようとします。
赤ちゃんの気持ちになれば可愛いいたずらですが、おっぱいを噛まれたお母さんは飛び上がるほどの痛みが走るのでびっくりします。
赤ちゃんにおっぱいを噛まれない授乳中の対策は?
では、赤ちゃんにおっぱいを噛まれないためにはどうすればいいのでしょうか。
歯の状態をしっかりチェックする
おっぱいを噛む赤ちゃんの理由として一番多いのは、歯の生えはじめで歯ぐきがむずむずするということです。
歯が生えはじめていて歯が見えるときは分かりやすいのですが、生えはじめる前ははっきりとは分かりません。
しかし、何となく機嫌が悪かったり、歯ぐきを頻繁に触っていたり、何でも周りのモノを強く噛んでいるというときは、歯が生えはじめている可能性が高いです。
歯ぐきの不快感をできるだけ紛らわせるために、「歯固め」というグッズが売っていますので、歯固めを赤ちゃんに与えておくとストレスの解消になります。
赤ちゃんをしっかり見て授乳する
赤ちゃんはお母さんをよく見ています。自分にしっかり愛情を持って接してくれていると自然に赤ちゃんの心は穏やかになりますし、自分にお母さんの関心があまりないと分かると不安になり、攻撃的になります。
ですから、お母さんは常に赤ちゃんから見られているということを忘れてはいけません。
授乳中はスマホを操作したり、テレビを観てばかりいると、赤ちゃんはお母さんの関心を引くためにおっぱいを噛んで知らせようとします。
万が一、赤ちゃんがおっぱいを噛んでも、お母さんの痛そうな顔、辛そうな顔を見ると、噛むことはお母さんにとってあまりよくないことなのだということがわかります。
赤ちゃんは何にも分からないと思ってはいけません。幼いながらにいろいろなことを感じ取っています。
赤ちゃんが安心して、楽しくおっぱいを飲めるような環境を作ることで、おっぱいを噛むことは少なくなります。
言い聞かせる
おっぱいを噛まれると本当に痛いのですぐにやめさせたいと思いますが、赤ちゃんはまったく悪気がなく、お母さんを苦しめていることもあります。
おっぱいを噛まれて痛いときは、大きな声で赤ちゃんをしかってはいけません。大声を出すと、赤ちゃんはびっくりするだけでおっぱいを噛むことは止めません。
赤ちゃんにおっぱいを噛むとお母さんは痛い、うれしくないので噛むことはいけないことだということを理解させるためにも、赤ちゃんに言い聞かせることが大切です。
言葉が分からない赤ちゃんに言い聞かせることに意味があるのかという思う人もいるでしょうが、お母さんがニコニコするのではなく、ちょっと硬い表情で低い声で、「噛んだらダメよ」「やめてね」というような言葉を、赤ちゃんの目を見ながら言うと、なんとなくお母さんが喜ばないし、してはいけない行為であるということが分かるようになります。
一度では分からないかもしれませんが、何度も言い続けると分かるようになって噛まないようになります。
噛むとおっぱいできないことを行為で分からせる
赤ちゃんが遊びでおっぱいを噛んで笑っているときはもちろん、いい気持ちでゆったりおっぱいを飲んでいても、噛むことが続いた時は強制的に授乳を中止しましょう。
赤ちゃんには酷かもしれませんが、ダメなことをした時は、楽しいおっぱいはなくなるということを行動で示すのも方法です。
遊び飲みをしている赤ちゃんをおっぱいから引き離すのは簡単ですが、真剣に飲んでいる赤ちゃんはなかなかおっぱいから離れません。
できるだけおっぱいに負担をかけないように、赤ちゃんが飲みにくい体制にしてみるとか、赤ちゃんの鼻をつまんで、口をあけて呼吸するしかないという状況にするとさっと口をあけます。
おっぱいを噛んでいることが悪いことだと分からない赤ちゃんは泣き出したり、きょとんとしていますが、すぐに再び授乳することなく、しばらくたってから授乳を再開しましょう。
まとめ
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赤ちゃんにおっぱいを噛まれて授乳するたびに傷が深まり、乳首が切れてしまったり、大きく穴が開いてしまうということは珍しくありません。
傷ができれば出血しますし、赤ちゃんもおっぱいを飲んでいてもあまり美味しくない状態が続きます。
傷ができなくても摩擦で炎症を起こしているという人もいます。
もし赤ちゃんがある程度遊びでおっぱいを噛んでいるならば、しっかり言い聞かせて止めさせるということが大切です。
しかし、赤ちゃんに悪気がなくて、おっぱいを吸うたびに歯が当たってしまって噛んでいる状態になっていることもあります。
この場合は、言葉や態度で赤ちゃんに分からせようとしますが、ある程度は仕方がない場合もあります。
どうしてもおっぱいを噛まれて痛みが我慢できない場合は、母乳外来などを受診して専門家に相談しましょう。