産後、離乳食が始まるまでの間、赤ちゃんを母乳で育てるママはたくさんいますが、そんな時に気になるのが母乳の質です。
赤ちゃんの反応でわかれば簡単なのですが、基本的に母乳を与えれば赤ちゃんは飲んでくれるので、質の高い美味しい母乳を飲めているのかわかりづらいですよね。
そこで今回は、
・母乳の質が良いとどんな効果があるの?
・母乳の質が悪いとどんな影響がある?
・母乳の質を良くするには?
といった方に、質の高い母乳はとはどんなものなのか、また、母乳の質が下がることで考えられる影響などについて詳しくご紹介します。
母乳は何でできているの?
母乳の質を考えるにあたり、まず知っておきたいのが母乳の元です。この元がなければ母乳は作ることができませんし、質の良し悪しもここで決まってしまうといっても過言ではありません。
その色合いから信じられないかもしれませんが、母乳の元となっているのはママの血液です。
この血液が乳房に流れ込み、乳腺の腺房と呼ばれる場所で、栄養素と白血球を取り込み乳汁に変えられることで母乳が作られます。
その生産過程から、母乳は白い血液と呼ばれることもあります。
質の良い母乳ってどんなもの?
ものの作りが優れている、できが良いものを質が良いといいますが、質の良い母乳もそれと近いものがあります。
どれも同じように思える母乳にも良し悪しや、普通のものまであるのです。質が良い母乳は味も良く、触った感じもサラサラとしています。
色合いも青みがかった白色と透明感のある綺麗な色をしています。栄養もたっぷり含まれており、ほのかに甘みがあり、匂いがないのも特徴です。
そんな質の良い母乳は赤ちゃんにとっても美味しい母乳。赤ちゃんが飲むのを拒否することはまずありません。
質の良い母乳がもたらす効果
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源です。また、毎日口にすることも考えると、ママが食事をするのと同様に、赤ちゃんも美味しいものが一番。
質が悪くなると味も悪くなるので、飲まなくなってしまう赤ちゃんもいます。更に、質の良い母乳を赤ちゃんにあげられていると、赤ちゃんにも良い影響があるとされています。
質の良い母乳を飲むことで赤ちゃんにもたらされる良い影響をまとめると次の通り。質の良い母乳にはどんな効果があるのでしょうか。
引き締まった体型になる
質の悪い母乳は、栄養バランスが崩れているだけでなく脂肪分や糖分が多く含まれているので、赤ちゃんがそれを飲み続けると肥満気味になってしまう傾向があるといわれています。
その反面、質の良い母乳は栄養が豊富にバランス良く含まれており、脂肪分や糖分の割合もそんなに高くないので、質の悪い母乳を飲んでいる赤ちゃんに比べると太ってしまう心配が少なくなります。
むしろ、質の良い母乳を飲むことで引き締まった体型になるとされています。
目の輝きが違う
その日食べた物によって気分が左右される人は多いはず。まずい物や苦手な物を食べた時は、気分も落ち込んでしまいます。
それは、赤ちゃんも同じことで、質の良い美味しい母乳を飲めている赤ちゃんは、目の輝きが違うといわれています。
母乳の質は、赤ちゃんの機嫌にも関わってくるからかもしれません。実際、質の悪い母乳を飲んでいる赤ちゃんは顔色が悪くなってしまいます。
更に、生き生きとした瞳は見た目だけでなく、視力も良くなることがわかっています。
頭の形がきれいに
質の良い母乳には、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。そんな質の高い母乳を赤ちゃんが飲めていると、脳への刺激にもなり、脳の発達に繋がります。
これは、母乳を飲む時に赤ちゃんが使う労力は、哺乳瓶で粉ミルクを飲むよりも60倍は使うといわれており、その労力や母乳を吸う力によって酸素が大量に脳に運ばれることも関係しています。
脳は発達すると大きく成長していきますから、それにより、頭の形も良くなっていくと考えられています。
母乳の質が悪いとどうなるの?
質の良い母乳を飲むことで、赤ちゃんにもたらされる効果を確認しましたが、逆に質が悪い母乳を赤ちゃんに飲ませ続けた場合、赤ちゃんにどんな影響が考えられるのでしょうか。
質の悪い母乳を飲むことで考えられる、赤ちゃんへの影響をまとめてみると次のようになります。
赤ちゃんは基本的に母乳の味の良し悪しに敏感ですが、たまに母乳の質が悪くても頑張って赤ちゃんが飲み続けるケースも少なくありません。
そのような事態も考えて、赤ちゃんへの影響は忘れないようにして下さい。
便秘、下痢になる
質の悪い母乳はドロッとしています。このドロッと感は飲み心地が良くないだけでなく、赤ちゃんの消化にも悪いといわれています。
そのため、まず考えられる影響がおならです。母乳を飲む時、赤ちゃんは一緒に空気も飲みやすいのでおならをすることも珍しくないのですが、質の悪い母乳を飲んでいると、おならの量が多くなります。
また、消化しにくいので便秘になってしまったり、下痢になってしまうなどお腹の調子を崩してしまう場合も多くなります。
機嫌が悪くなる
質の悪い母乳を飲ませていると、赤ちゃんの機嫌が悪くなることもあるとされています。
主な症状としては、神経が過敏になってしまうことが挙げられており、夜泣きが止まらなかったり、一日中ぐずってばかりいて落ち着きがなくなるなどの症状が見られます。
この影響に関しては、ママの精神的なイライラ、ストレスも関係しているとされており、ママのストレスがそのまま母乳の質に影響して、赤ちゃんもイライラしてしまうとも考えられています。
ママも精神的にイライラしていて、赤ちゃんも似たような状態になっている場合には、母乳の質が悪くなっている可能性を頭に入れておきましょう。
肌トラブル
母乳育児をしていると、赤ちゃんがアレルギーになりにくいといわれていますが、その反面、質の悪い母乳を飲ませていると、赤ちゃんが肌トラブルを引き起こしやすいとされています。
代表的なのは、乳児湿疹や脂漏性湿疹。特に、ママが脂っこい物やスナック菓子など、脂肪分や糖分を、大量に摂取してしまった場合に起こりやすくなります。
乳製品の過剰摂取で、タンパク質が母乳に多く含まれてしまう場合にも、同様の症状が引き起こされます。
酷くなってしまうと、アトピーやアレルギー発症の原因にもなりますので注意が必要です。
目ヤニや涙が酷い
赤ちゃんの目ヤニが止まらない原因には、逆さまつげや風邪、空気中のほこりや雑菌による結膜炎が考えられます。
涙が止まらないことも、目と鼻が近いことにより涙道が短いことで、鼻水が目に逆流(これが目ヤニの原因にも)していることも多々あります。
こんな時の治療法として、母乳の点眼を挙げる場合もありますが、質の悪い母乳の場合には、目ヤニや涙の原因になってしまいます。
赤ちゃんによっては、鼻水が止まらないこともあるようなので気を付けるようにしましょう。
乳腺炎の恐れも
赤ちゃんの飲み残しや授乳する時の姿勢、時間間隔など乳腺炎の原因は人によってさまざまですが、その原因の中には、母乳の質が悪いことも挙げられています。
母乳は質が悪くなると味もまずくなってしまうので、赤ちゃんは飲まなくなってしまう場合がほとんどです。
母乳は飲まれなくなっても、搾乳をしない限りずっと胸の中に残った状態になってしまうので、古い母乳が胸に留まり続けることになります。
これによって、乳腺炎を発症しやすくなってしまうのです。
こんなことしたら母乳の質の悪いサイン!?
質の悪い母乳を飲むことで考えられる影響を考えると、母乳の質はなるべく早めに把握しておきたいものです。
母乳の質を確認することは、ママ自身で味を確認するなどの方法がありますが、赤ちゃんの反応でも確認することができます。
赤ちゃんは母乳の味に敏感です。そのため、赤ちゃんは母乳の質が悪くなっていることがわかると、授乳拒否の他、授乳の時に暴れる、乳首を含んで引っ張る、噛みつくなどの行動に出るといわれています。
特に噛みつく行為は、歯が生えてきたら仕方ないと思うママもいるようですが、基本的に赤ちゃんは母乳の質が悪くなければ噛みつくことはありません。
これらのサインを見逃さないようにしましょう。
母乳の質を良くするには?
赤ちゃんにさまざまな良い効果がもたらすことを考えると、母乳は質の良い状態に保っておきたいところです。
しかし、母乳を良くするためにできることといえば、食事の栄養バランスを気を付けることくらいなような気がします。
実際に、授乳中のママの多くは食事に気を付けている人は多いのではないでしょうか。赤ちゃんに質の良い母乳をあげるために、ママができることは以下の通りです。
これらの方法を実践したからといって、すぐに効果が現れるわけではありませんが、地道に心掛けていきましょう。
水をたっぷり飲む
身体の水分が不足していると、血液の流れも悪くなってしまいがちです。血液が母乳の元となるのは先でも確認しましたが、この影響で母乳の質も悪くなってしまいます。
巡りの悪い血液はドロドロしているので、それで作られる母乳もドロっとしたものになってしまうからです。
また、水分が不足すると母乳の出も悪くなってしまうとされています。赤ちゃんは1日に母乳を1リットルは飲むといわれているので、質の良い母乳を作るためにも、ママは普段よりたっぷりと水分補給をするようにしましょう。
ちなみに、1日にママが飲んでおきたい水分量は約2リットル。水だけでこれだけの量を飲むのは少し辛いかと思われます。
水分が補給できれば良いので、飲むものは別に水にこだわる必要はありません。ご飯時にスープや、味噌汁といった汁物を付けるようにしたり、血の巡りを良くしてくれるたんぽぽ茶もおすすめです。
ただし、珈琲などのカフェインを含む飲み物や、冷たい飲み物など、授乳中に控えた方が良い物もありますので、気を付けるようにして下さい。
冷えを解消する
上記と繰り返しにもなりますが、冷えも血行を悪くする原因になります。
母乳は血液からできているので、冷えにより血行不良に陥ることで、水分不足の場合と同様、母乳の質を悪くしてしまうのです。
また、身体を冷やしてしまうと母乳の出も悪くなりやすいです。冷えの解消には、温かい飲み物を飲む、半身浴をするなどして身体を温める他、時間がある時にお散歩をしたりするなど、軽い運動を生活に取り入れると冷えの解消になります。
また、授乳をする際に肩を回すなど、身体をほぐすようにするだけでも血の巡りが違うのでやってみましょう。
睡眠をしっかりとろう
特に授乳中は、睡眠不足になってしまうママも多いはず。また、育児疲れや日々の家事で疲労困憊のママも少なくないでしょう。
それでも無理をしてしまうのがママなのですが、身体に疲れが溜まっていたり、睡眠不足を解消できないでいるのも、母乳の質を悪くする原因になります。
また、疲れている時は精神的にもイライラしやすく、母乳に更に悪影響を与えてしまうのです。
質の良い母乳を作るためにもしっかり睡眠をとって、疲れやストレスを解消するようにしましょう。長い時間は無理な場合でも、小まめに休憩を入れることが大切です。
母乳量のコントロール
赤ちゃんはたくさんの母乳を飲むので、作った分だけ飲み切ってくれていそうな気がしますが、そんなことはありません。
実際は、片方のお乳だけ飲んで満足してしまうこともあります。
母乳は残ったままになってしまうと、すぐに古くなってしまうわけではありませんが、時間の経過と共に古くなり、質も悪くなってしまいます。
次の時間に赤ちゃんが飲んでくれればいいのですが、赤ちゃんも味にうるさいので、味の変化を敏感に感じ取って飲まない可能性も否定できません。
片方で授乳が済んでしまったり、授乳後も胸の張りが強いようであれば、ママ自身で搾乳をするようにして下さい。
神経質にならないことも必要
母乳の質を良くするために神経質になってしまうママもいます。赤ちゃんの成長にも影響してくることを考えると、仕方のないことなのかもしれませんが、あまり思い詰めすぎてしまうのも母乳に良くありません。
母乳の質はママの気持ちでも左右されます。やはり、気持ちが落ち込みがちだったり、イライラしていると、母乳にも影響を受けるのです。
母乳の質が悪くなると、粉ミルクへの転換を考えるママもいますが、母乳の質は生活習慣の見直しなどでほぼ改善することが可能です。
あまり深刻に悩まず、楽しい母乳育児ライフを過ごして下さいね。