出産後に「いつ生理が再開するのか?」と疑問を抱いているお母さんは多いのではないでしょうか?
赤ちゃんのお世話や母乳の出などの心配もあるため、生理再開は遅い方が良いと考えるお母さんもいるでしょうし、次の子を早く設けたいために、生理再開を望むお母さんもいることでしょう。
そこで今回は、
・生理再開はいつからか?
・うそ?本当?生理再開にまつわるさまざまな噂に興味がある方
・授乳中に生理再開したことで赤ちゃんへの影響を心配している方
・生理がきていないのになぜ妊娠するの?
といった方に、生理再開にまつわるさまざまな疑問について詳しく解説していきます。
生理の再開には個人差がある
生理再開は個人差があるため、正確にいつからということがいえません。母乳を飲ませている、飲ませていないにかかわらず、産後8か月ぐらいでおよそ70%から80%のお母さんの生理が再開するといわれています。
ですが、早い方ですと産後2か月ほどで生理がきたという方もいますし、産後1年経過しても生理が再開しないというお母さんもいます。
特に母乳を与えている場合ですと、排卵が起きにくくなるため、生理再開にも時間がかかるのが一般的です。
産後の生理再開は平均14.6カ月といわれています。そのため、生理がこないからと心配する必要はありません。一昔前までは、授乳しているから妊娠しないなどといわれていましたが、今ではその常識も違ってきています。
完全母乳で授乳すると生理は再開しない?
生理再開にはいろいろな理由が考えられますが、一番大きく関わっているのは「プロラクチン」というホルモンです。
このホルモンは母乳を与えていると脳下垂体から分泌されるホルモンですが、プロラクチンには排卵を抑える作用があることが分かっています。
そのためプロラクチンが多く分泌されている期間は、生理再開がしにくくなっています。
授乳で考えると、1日に5回以上授乳をしている場合や、1回の授乳時間が10分以上の場合、夜間の授乳をおこなっている場合などは生理再開が行われないとされています。
ホルモン分泌は特に夜間の方が活発に行われるので、夜間に授乳している場合は特に生理再開が遅れる傾向があります。
一般的に離乳食がはじまり授乳の回数が減った時期や卒乳を迎えた後に再開することが多い傾向にあります。これはあくまで基準ですので、すべてのお母さんがこれに当てはまるわけではありません。
母乳を与えているお母さんの生理再開はミルクで育児をしている方より生理再開まで時間がかかって当然なのです。十分理解しておきましょう。
産後に生理再開がない理由
生理はホルモンの働きによって抑えられていますが、これには大きな理由があります。
出産という一仕事を終えて、母体は回復をみせますが、妊娠前と全く同じ状態に戻るには時間がかかります。もちろん卵巣機能もすぐに元に戻るわけではなく、子宮の疲労などもすぐに取り除けるわけではありません。
ですから母体を守るために授乳と共に排卵を制御するホルモンが分泌されるわけです。
生理再開した場合でも無排卵というケースも多く、妊娠をできないよう守る機能が働くこともあります。すぐに次の子をと望んでいる方には、残念なことかもしれませんが、これもお母さんの体を守るために行われることですので、理解が大切です。
体を十分休ませてまたの生理再開を待ちましょう。
普通分娩と帝王切開で生理再開の時期は違うのか?
分娩は大まかに普通分娩と帝王切開などが考えられますが、この分娩方法の違いによって生理再開までの期間が違うとは考えられていません。
帝王切開は子宮の回復が、通常分娩に比べ遅いことは知られていますが、だからといって生理再開まで時間がかかるということではありません。
帝王切開で赤ちゃんを産んだお母さんの中にも、産後すぐに生理再開した方もいます。逆に通常分娩だからといって生理再開が早いかというと、そうしたことも考えられません。
個人差があるため、このような誤解がされがちですが、どちらの分娩方法の場合でも早い方は早く、遅い方は遅いのです。
育児ストレスは生理再開に関係するのか?
出産後育児におわれ、疲れやストレスを感じる方も多いといいます。こうしたストレスが生理再開に影響するか気になる方も多いと思いますが、ストレスは直接ホルモンの働きに影響しやすいものですので、ストレスが原因で生理再開が遅れることは当然考えられます。
こうしたストレスで生理が遅れることは、何も産後ばかりではありませんが。育児による睡眠不足や主婦業との両立による忙しさからくるストレス、はじめての育児によるストレスで、生理も遅れることがあるため、育児などによるストレスを溜めないよう心がけることが大切です。
赤ちゃんのお世話を一生懸命になりすぎるとストレスになってしまうこともありますので、肩の力を抜いてたまには手抜きをすることも大切です。
料理やお掃除、洗濯などの主婦業をたまにはパパにお願いして、赤ちゃんと一緒に横になって過ごす日も作りましょう。
周りの人のサポートを借り、ストレスを溜めない方法を考えてみてくださいね。
夫婦の営みは生理再開に影響するのか?
よく、性行為による刺激により、女性ホルモンが活発に分泌されることで生理が来るなどといわれていますが、これには科学的裏付けがないため、産後の場合も同様、生理再開との関係は、詳しいことは分かりません。
ですが、産後は育児と家事などを両立しなくてはいけない忙しさや睡眠不足からパパにストレスを抱くお母さんも少なくありません。
こうした営みに限ったことではありませんが、パパと常日頃からコミュニケ—ションをとることは大切です。
パパに育児を分担してもらったり、家事を手伝ってもらったり、協力を仰ぐためにもパパとのコミュニケーションをとる機会を設けてください。
昔と比べ、生理再開は早くなっている?
最近になって分かってきたことですが、栄養状態が良く年齢の若い健康なお母さんの場合、産後2か月あたりから定期的に生理がはじまっているケースがあります。
タイプとしては、ニキビができやすいぽっちゃりした体型の方のほうが、生理再開が早い傾向があります。母乳をあげているのにもかかわらず、生理再開があまりにも早くビックリするお母さんもいるようですが、早い生理再開が異常というわけではありませんので安心してください。
昔と比べ、現代の栄養摂取状況が良くなっているため生理再開の早い方も増えてきています。
生理再開が早いと体への負担も少なくなく、授乳と並行していることで体重が減少してしまう方もいますが、特に十分な食事量が取れていれば心配の必要はありません。
早い生理再開は、育児中には生理は面倒と感じる方も多いと思いますが、体が順調に回復している証ですので、悪いことではありません。逆に遅くても心配することはないのです。
生理再開は、個人差の多いものですのであまり気にしないことが大切です。
産後の生理再開を避ける方法
生理を面倒と考えるお母さんや生理がなければ楽と感じるお母さんも多いのではないでしょうか。
生理再開で授乳に与える影響を考えると、再開を遅くしたいと思うお母さんもいます。はっきりとこうすれば生理再開が遅くなるという方法はありませんが、排卵を制御するホルモンを刺激し続けることが一番効果を期待できます。
授乳間隔
まずは授乳間隔ですが、生理再開を避けるのであれば3時間以上の間隔を開けないことが大切といえます。頻繁に授乳を繰り返し、ホルモンの分泌を促すことが大事になってきます。
夜間の授乳
月齢が上がってくると夜間の授乳回数も減ってきますが、この夜間の授乳も大きなポイントです。赤ちゃんが夜あまり目を覚まさなくなってきたら、寝る前に必ずたっぷりと母乳を与えることでホルモンが活発に分泌されますので、生理再開が遅くなる傾向が見られます。
授乳回数をできるだけ減らさず、お母さんの栄養状態などに気を配ることが必要となってきます。ですが、やはりこれも個人によってまちまちです。あくまでも参考として考えておきましょう。
生理と悪露の見分け方
生理再開が早い場合、悪露と生理が並行してくることもあり、判断しにくくなります。
悪露は一般に産後1か月程度続くもので、長い方ですと産後8週間以上続くといいます。そのため、2か月ほどで生理が再開する方は、悪露のおさまりを認識することなく生理が再開するといったケースがあります。
大抵のお母さんは悪露が白っぽく変化し始めたのに、再び鮮血の赤い出血が見られたことで生理と疑うようですが、これも次の生理、その次の生理が定期的にきてはじめて生理再開を確信できるようです。
生理のように1週間も出血が続く場合や量の多い出血などは、この期間であると不正出血などの可能性もあります。
不正出血は自己判断が難しいものですので、なかなか出血が収まらないなどと少しでも怪しいと疑う部分がある場合には必ず病院で診察を受けましょう。
授乳しているのに生理がはじまったら
「生理が再開すると、もう授乳はしてはいけない?」などと心配するお母さんがいますが、授乳をやめる必要はありません。
それよりも生理再開後、妊娠前と生理の症状、状況が異なることが多くなります。お母さんによってはさまざまな違いを感じることもあるようです。
・生理が以前は順調だったのに、不順になってしまった
・以前は不順だったのに、生理が正常にくるようになった
・生理痛が軽く(重く)なった
・生理の量が減った(増えた)
・生理の期間が短く(長く)なった
など、さまざまな声を聞くことができます。
原因は一概にこれとはいえませんが、ホルモンなどが影響していることが多いため、特に変化を心配する必要はありません。ですが、どうしても気になるような心配な点があれば医師に相談してみましょう。
生理再開が母乳に与える影響
生理再開後の母乳につい疑問をお持ちの方も多いことでしょう。味が悪くなる、量が減る、栄養価が減少する、赤ちゃんが飲んでくれなくなるなど、さまざまなことがいわれていますが、これは本当なのでしょうか。一つずつ、見ていきましょう。
生理再開で母乳の味が悪くなるの?
生理再開後、赤ちゃんの母乳の飲みが悪くなったなど実際に感じるお母さんもいます。
これについて詳しいことは分かっていませんが、ホルモンなどの影響により、生理再開を敏感に感じとった赤ちゃんの中には、稀にですが授乳を嫌がることもあります。
すべての赤ちゃんが母乳の味を感じるかどうかは分かりませんが、何の問題もなく母乳を続けられる赤ちゃんの方が多いため、赤ちゃんが欲しがるようでしたら十分与えてあげるようにしましょう。
赤ちゃんの母乳を嫌がる原因は他の要因も考えられます。何も味の変化だけが原因とも考えにくいため、母乳の味については特に気にする必要はないとされています。
生理再開で母乳量が減るの?
生理が再開し、母乳の量が減るということはあります。母乳に関係するホルモンである、プロラクチンの分泌量が減ったことで生理が再開したことも考えられますので、その場合には当然母乳の量が減少することになります。
また、母乳は血液から作られるために、生理で血液が使われることで、母乳が生成されにくくなってしまうので母乳が減ることがあります。
母乳が少ないと感じている方は、母乳がでない!?今すぐ試せる母乳不足の解消法!も参考にしてみましょう。
生理再開で母乳の栄養価が減少するの?
母乳の栄養価に関していえば、まず生理再開が影響することは考えられません。
昔は、食べるものも少なく、生理再開が母乳の栄養を奪うこともあったようですが、現在の栄養価の高い食事内容でこうした影響があるとは考えにくいものです。
産後にダイエットを行う方もいますが、母乳の栄養という面を考えると、無理なダイエットは生理再開に関係なく、良いことではありません。
赤ちゃんにとって必要な栄養を母乳を通じて与えるためにも、日頃からバランスのとれた食生活を心がけるようにしましょう。
生理再開前に妊娠するのか?
生理再開は個人差があるため、いつ自分にくるのか判断することは難しいといえます。
生理を迎えた時にはすでに排卵が行われているため、生理がこなくても妊娠する可能性は十分あります。中には生理を一度も見ることなく、妊娠する方もいるぐらいです。
逆に生理がきたが無排卵というケースも少なくありません。授乳中だから、生理がこないからといって、妊娠しないと考えるのは危険です。
妊娠を見合わせたい場合は、必ず避妊するよう心がけましょう。出産後すぐの妊娠は、お母さんの体にとっても負担の多いものです。すぐに次の子を望んでいる場合でも、お母さんの体の回復を考えて、生理再開後2、3回たってから妊娠を計画するのがベストといえます。
不妊で第一子がなかなかできなかった方が、生理がなく第二子を妊娠するケースが意外と多くあります。計画がないのであればしっかり避妊することをおすすめします。
まとめ
生理再開と授乳について見てきましたが、生理再開後にはおっぱいトラブルも多くなるといわれています。生理再開によって、体が冷えることも原因の一つです。生理再開後は赤ちゃんの授乳の様子と共に、お母さんのおっぱいについても注意を払うようにしましょう。
おっぱいがもうひとつ?副乳って何?では、妊娠中から授乳中に気付きやすい副乳について詳しくご紹介しています。
最後までご覧頂きありがとうございました。こちらの記事も合わせてお読み下さい。